Garage Giraffe
2012年 02月 21日
1966 FLH
いきなり、カムシャフトのアップ画像。
この部品が結構重要な仕事をしております。
クランクからの動力でタペット、プッシュロッドを押し上げて、最終的にバルブを開閉させております。
ちなみに一般的にハイカムというのは、写っているおむすび山部分の高さや幅がノーマルより高いものや、広い物を指します。
(厳密には、幅の広いカムはデュレーションカムと呼びますね。)
よく、『ハイカム化』と言いますが、これを交換するのです。
それによって、バルブの開いている量や時間を多くして高出力を得る手法。
簡単に言えば、「いっぱいガソリン吸ってもらって力を出す。」ですな。
とりあえず、仮り組みしますね。
一番右からアイドラーギア(発電機を回すギア)
サーキットブレーカーギア(点火装置を回すギア)
上側カムギア(先ほど紹介したギア)
下側ピニオンギア(先日組み付けたクランクの動力)
一番左側ブリーザギア(エンジン内の圧力とオイルの循環をコントロール)
多いですね。
小さい頃、分解した時計の中身と同じ感じです。
興味本位で分解したは良いが、組めなくなって親に叱られた方もいるんじゃないでしょうか。
話を戻します。
一番右側のアイドラーギア以外はギアに、合いマーク(♡マークではありません。)が入っており、
「このマークを合わせて組まないと正常に作動しませんよ。最悪ブッ壊れますぜ。」と親切に教えてくれています。
当然合わせます。
カムカバーを組んで、エンジンを回転させてみます。
若干、回転が重くなりました。
今回使用する、アンドリュースA2カム。
ボルトイン(ポン付け出来る)ですが、ギア部分の直径がいつも少し大きく、バックラッシュ(ギアの噛み合い)がキツいんですよね。
「何とか回転するから良いや。」と組み付けてしまうと、エンジンが暖まって熱膨張したときに、唸り音を発生させたり、他の部品を破損させる可能性が有ります。
アンダーサイズのカムギアやピニオンギアが出てますので、面倒がらずに打ち替え。
さて、どれにしようかな?
純正のカムからハイカムにする場合は、元々付いていた純正のカムギアを移植すれば、大抵問題ありませんが、今回は元のカムもハイカムでさらに渋いクランク回転でしたので、計測して適正なギアに打ち替えます。
くれぐれも、もう使わないからといって純正カムを手放さないで下さいね。
ギアは使う場合が多く、使えない場合も寸法などの情報として役に立ちます。
カム交換もなかなか手強いでしょ?
アンドリュースを始め、さまざまなメーカーがプチハイカムから、ガッツリハイカムまでリリースしており、乗り味も多様で楽しめるチューンです。
ただ、油圧タペットが負けたり、今まで干渉しなかった所が当たる為バルブ廻りやクランクケース、ギア廻りの見直し、加工が必要になるカムも多いのが実情。
ですので、当店ではエンジンオーバーホール時に案内しております。
「とにかく、めっちゃホットなカム入れてくれ!」と言われても、「まぁまぁ。落ち着いて下さい。」と答えてしまいます。
耐久性というのも、重要なファクターですからね。
さて、こちらはシート交換でお預かりの 1993 FLSTF
シートベースを仮り組みです。
問題無さそうですな。
次回は、今付いているマウントステー類を完全コピーします。
あと、私の友人が過酷な修行期間を経て、晴れて長野県は上田市にてショップをオープン致しました。
その名は、、。
Garage Giraffe
宜しくお願い致します。
ライバル店がまた一つ増えましたが、負けない様に頑張ります。
アデュー。
by caffeinmotorcycle
| 2012-02-21 21:07
| Repair